講座の特徴

教 育

当講座では、医学生や臨床研修医を対象に、実践的で魅力的な教育を提供しています。以下に、当講座の教育方針をご紹介します。

医学生への教育 臨床実習では、まず麻酔科医の日々の医療行為を直接見学、時には実践し、臨場感を持って体験していただきます。一見、何も起きていないように見える「うまくいっている麻酔」の背後にある緻密な管理や、各手技に潜むリスクを具体的に解説します。時には、麻酔科医達の経験談等も交えながら、手術・麻酔の重要性と奥深さをお伝えしています。さらに、学生の皆さんがその場で理解しやすいよう、生理学的な裏付けを逐一解説。国家試験対策にも役立つような知識も含め、手術室で行う医療行為が集中治療室や救急の現場とどのように関連しているかを含めて丁寧に説明します。

臨床研修医への教育 研修医の皆さんには、将来の仲間、そして医療現場でのパートナーとして成長していただくべく実践的な指導を行っています。また個々の研修医からの希望を研修内容に速やかに反映させ、満足のいく研修内容にする体制をとっております。気管挿管を始めとした一般的手技の指導はもちろん、当科では新生児を含めた小児手術、心臓手術、肝移植・腎移植等の専門性の高い症例も行われており、希望者には各領域の専門資格や十分な経験を有した麻酔科医がadvancedな内容についても指導しております。

教える側としての姿勢 私たち教える側も、常に「学び続ける姿勢」を大切にしています。教育を通じて、共に成長し、より良い医療を提供するためのチームとして一歩ずつ前進していきます。

興味のある方は、ぜひ私たちの教育プログラムを体験し、麻酔科の世界を感じてみてください!

臨 床

麻酔科医は、手術において患者さまの安全と快適さを守る重要な役割を担っています。また、手術時の麻酔管理だけでなく、術後管理を始めとした集中治療領域における業務、さらには術後疼痛はもちろん、種々の急性/慢性の痛みを対象としたペインクリニックにも対応しています。

1)手術時の麻酔管理 麻酔科医は術前から各患者さまの健康状態や手術内容を把握し、最適な麻酔方法を計画し、安心して治療を受けていただける環境を提供します。また、手術中の全身状態をリアルタイムで把握し、術中から麻酔覚醒後まで患者さまの呼吸や循環、良質な鎮痛を維持します。当科の特徴として、1)心臓血管手術・肝移植/腎移植・新生児手術などを含む高度な技術・知識を必要とする症例が多数施行されている、2)重症熱傷・交通事故・熊など動物に起因する多発外傷・敗血症性ショック等、県内外の重症例も当院に集まってくる、3)ロボット支援下手術・血管内治療を含むハイブリッド手術・覚醒下開頭術など先進的手術も数多く施行されている、点が挙げられます。また脊椎麻酔・硬膜外麻酔等の中枢神経ブロックを始めとし、術中・術後鎮痛に大きな力を発揮するエコーガイド下末梢神経ブロックも盛んに行われております。これらを含む豊富な麻酔経験を通して、麻酔科医としての技術・知識・経験を大幅に向上させることが可能です。 心臓血管麻酔部門について

2)集中治療 集中治療室(ICU)での業務も麻酔科医の仕事です。当科では各診療科と協力しながら、専門知識・技術を他科と共有し、重症患者管理や、緊急時の救命処置、術後管理を行っております。また院内で患者の状態が急変する兆候を早期に察知し、適切な対応を行うことで、さらなる重症化や心停止などの重大な事態を未然に防ぐことを目的としたRRS(Rapid Response System)も当科が中心となり、各診療科と提携して行っております。

3)ペインクリニック 麻酔科外来でのペインクリニックでは急性・慢性・難治性の疼痛に対し、神経ブロック療法、薬物療法、理学療法、心理的アプローチ等の治療法を施行しており、麻酔科専門医までの研修過程で外来部門も研修頂いております。ペインクリニック専門医を取得することも可能です。 ペインクリニック部門について

当科ではこれらの診療行為を通し、高い実力を持った麻酔科医の育成が可能となっております。

研 究

研究は、臨床診療や教育と並び、大学附属病院として欠かせない重要な要素です。臨床・教育・研究が三位一体となってうまく機能することで、患者さまに最良の医療を提供することが可能と考えます。

当講座では最新の麻酔方法、薬剤やモニタリングに関する新たな知見の前向き検証や、当院の手術・麻酔に関する多岐に渡る膨大なデータの後ろ向き解析を積極的に行い、若手と指導医が共に手を取り大きな研究成果をあげるべく日々精力的に研究しています。
その成果は多くの国内外の学会(日本麻酔科学会総会、ヨーロッパ麻酔学会、アメリカ心臓血管麻酔学会、国際脳卒中会議、など)や雑誌に報告されています。
また他科・他施設との共同研究や臨床治験(薬が発売される前の臨床での研究)も行われており、これらを通してより先進的かつ幅広いリサーチマインドを獲得する事が可能です。
さらに、教室員の国内外への留学も積極的に支援しています。現在、1名が国内(大阪)、1名が海外(米国)に留学し、最新の知見や技術を学んでいます。このような国際的な交流を通じて、講座全体の研究と教育の水準をさらに向上させることを目指しています。

CONTACT

岩手医科大学 医学部 麻酔学講座

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